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第十五条 指揮官ハ其ノ部下ノ者帝国ノ法律又ハ外国ノ法律ヲ犯シ其ノ地碇泊ノ軍艦(其ノ軍艦何レノ国ニ属スルヲ間ハス)又ハ公海ニ於ケル外国ノ艦船内ニ在ルコトヲ知ラハ直接ニ其ノ艦船長ニ之カ引渡ヲ請求スルコトヲ得但シ之ヲ強請スヘカラス若シ外国碇泊軍艦ノ長ニシテ之カ引渡ヲ拒ムトキハ之ヲ其ノ地駐在ノ我外交官又ハ領事官ニ委託スヘシ

 

第十六条 指揮官ハ其ノ部下ノ者其ノ地ノ法律ニ依リテ逮捕セラルタルニ当リ之カ引渡ヲ受クル能ハサルトキハ其ノ者ノ受クル待遇並裁判ノ公平ナリヤ否ヤニ注意スヘシ

 

第十七条 指揮官ハ帝国臣民ノ外国法律ヲ犯シ将ニ逮捕セラレムトシテ我庇護ヲ求ムル者アルモ之ヲ艦内ニ容ルヘカラス但シ一且許シテ我艦内ニ容レタル者ハ外交上ノ手続ヲ経ルニアラサレハ之ヲ他ニ引渡スヘカラス而シテ其ノ者ハ便宜之ヲ帝国ノ相当官庁ニ送致スヘシ

 

第十八条 指揮官ハ其ノ地ノ官吏警察権ヲ其ノ地ニ在ル帝国船舶執行セントスルニ当リ其ノ地ニ我領事官駐在セサルトキハ其ノ警察権ノ正当ニ執行セラルルヤ否ヤニ注意スヘシ

 

第十九条 指揮官ハ公海又ハ我領事官ノ駐在セサル国ニ於テハ帝国旗章ヲ監視スヘシ

 

第二十条 指揮官ハ外国ニ駐在セル我外交官又ハ領事官ヨリ帝国臣民ノ保護又ハ公務ニ関スル助力ノ請求ヲ受クルトキハ自己ノ奉スル任務又ハ特別訓令ニ妨ナキ限リ務メテ之ニ応スヘシ

 

第二十一条 指揮官ハ外国ニ在留セル帝国民ノ危難ニ遭フ者ヲ保護セムニハ成ルヘク之ヲシテ艦内又ハ他ノ場所ニ避ケシムヘキ方法ヲ用フヘシ

 

第二十二条 指揮官ハ外国艦船ニ傭役セラルル帝国臣民不条理ノ取扱ヲ受クルコトヲ知ラハ其ノ国ニ駐在セル我外交官又ハ領事官ニ其ノ事情ヲ通知スヘシ若シ其ノ国ニ我外交官又ハ領事官駐在セサルトキハ其ノ地ノ所轄庁並其ノ地ニ駐在セル該船舶所属国ノ外交官又ハ領事官ニ其ノ事情ヲ通知スヘシ

 

第二十三条 指揮官ハ帝国臣民ノ生命自由又ハ財産ニ非常ノ危害ヲ被ラムトシ其ノ国ノ政府之カ保護ノ任ヲ尽サス且我兵力ヲ用フル外他ニ保護ノ途ナキトキニ限リ兵力ラ用フルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ先ツ其ノ地ニ駐在セル我外交官又ハ領事官ト協議スヘシ但し危怠ノ場合ニ際シ予メ我外交官又ハ領事館ト協議スル逞ナキトキハ此ノ限ニアラス

前規ノ場合ニ於テ其ノ地ニ我外交官又ハ領事官駐在セサルトキハ成ルヘク其ノ地ノ所轄庁ノ承諾ヲ永ムヘキコトニ注意スヘシ

 

第二十四条 指揮官ハ其ノ部下ヲシテ外国ニ於ケル政治上ノ争乱又ハ該国ト他国トノ問ノ葛藤ニ干与セシムヘカラス

 

第二十五条 指揮官ハ帝国ノ局外中立ハ之ニ等シキ位置ニ在ルトキ帝国船舶交戦国ノ為ニ脅迫セラレテ軍事ニ使役セラルルモノアルヲ知ラハ其ノ国ニ駐在セル我外交官又ハ領事官ニ之ヲ通知スヘシ我外交官又ハ領事官其ノ国ニ在ラサルトキハ其ノ地ノ所轄庁ニ照会シ其ノ脅迫ヲ免レシムヘシ

 

 

 

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