日本財団 図書館


船舶基準

 

いくつかの海域で発生した最近の海上事故は、改正された規定の見直しを迫るものだった。例えば、エストニアの惨事では、船荷を積んだままトレーラーを乗降させるフェリーの安全性が問題となった。

特に、通商を継続するに十分とはいえない粗製濫造の船舶を急造する、条約のいわゆる「祖父条項」の問題が焦点となったのである。

 

こうした展開は多くの場合、おそらく、その向かう方向は望ましいものではない。海事活動の他の分野、特に、域外での石油精製について言えば、低い品質管理基準、特に「安全装置」概念によって安全性が維持されている。

国際海運は、この道を辿れるように成熟しなければならない。しかしながら、同時にそれは、来るべき未来の話ではないのである。

 

沿岸国が取り得る手段

 

沿岸国の海域を通航するすべての船舶が沿岸国の港に入港するわけではない。それゆえ、各国は沿岸国の行為として自国の利益を守るのである。

 

水先案内義務

 

オーストラリアでは、グレート・バリア・リーフの内側を通航する場合や、水位記録計通航など、いくつかの船の通航に際して水先案内義務が課されている。

これは国際海事機関での活発な議論の末に、生まれた義務であり、グレート・バリア・リーフを「特に注意すべき地帯」として取り扱っている。

とはいえ、オーストラリアが、通航する船舶に、合法的に水先案内義務を課すことができるということを受け入れない国も存在する。

 

にもかかわらず、オーストラリアは水先案内義務をトーレス海峡にも適用すべく国際協定の締結に努力している。

こうした提案の支援策を積み重ねることは容易でない。水先案内義務のトーレス海峡への適用は、マラッカ海峡のような国際航行に使用される水路にとって、先例となるものである。

同時に、普段は、海事に関するオーストラリアの方針を支持する国々、アメリカ合衆国、英連邦、その他のヨーロッパ海洋諸国から反対の声が上がるだろう。

その間、トーレス海峡は「水先案内推奨地帯」として扱われるだろう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION