7) アメリカのプレゼンスを確保するための各国の協力が絶対に必要である。
8) この問題を二国間の領有権問題として捉え処理する限りは、その見通しはペシミスティックにならざるを得ない。従って、今後の取り組み方については、地域の安全保障協力の側面からの検討が必要である。
9) そういう意味で、17-18日に開催されたSEAPOL、PhilMar主催の国際会議における群島水域あるいは国際海峡の問題も考えなければならない。単なる沿岸国のナショナル・アイデンティティを高めるという考え方ではなく、それより大事な、その国の生存と繁栄のために必要な、あるいは周りの国のためにも必要な航行の自由と安全を守り、アメリカ海軍のプレゼンスを確保する安全保障上の地域協力という観点から沿岸国はこれをもう一度見直す必要があるのではないか。
10) そうすることで互いの建設的な将来が見えてくるのではないか。
5:日米協力体制が将来のフィリピンのひとつのモデルになる
この意見交換では、日本自体が米軍に基地を提供し、その前方展開を支えているという現状についてもお話しさせていただきました。したがって、日本の協力の体制も将来のフィリピンにとってはひとつのモデルになるのではないかとも申し上げました。
このあたりの見解は、会議では特に触れませんでした。
以上、PhilMarがセットしてくれました意見交換は、9時から昼食を挟んで、1時半まで、相当長い時間行いました。2時に別の意見交換の予定があったので1時半で終にしましたが、先方はもっと続けたい様子でした。この続きは東京で行うこともできるかと思います。
各方面といろいろと意見交換ができたということで、今回のフィリピン訪問は、非常に意義があったと考えられます。
以上でレポートは終わりです。
(お断り)フィリピン側の意見はオフレコで聴きましたのでここには当方の主張のみ記しました(小川)