平成11年 公海の自由航行に関する普及啓蒙事業 第1回海外調査(マニラ)
国際会議後の意見交換
第17章 南シナ海の情勢に関するフィリピン当局との意見交換
報告:川村純彦・小川彰
□会議名:国連海洋法に関する国際会議(マニラ)International Conference on System Compliance MARITIME TRANSIT ISSUES REVISITED9
□実施日:1999年11月17日(火)〜18日(水)
□場所:Grand Boulevard Hotel,Manila
□主催者:PhilMar,SEAPOL,UP-IILS.
1:フィリピン側の意見交換メンバー
川村純彦 Philmar(Philippines Institute Maritime Affairs Incorporerated)は、フィリピンの外務省の後押しでできた海洋研究所です。ただし、あくまでもプライベートなカンパニーの形をとっております。討議した内容は、特に当方から希望した南シナ海の情勢です。
出席者は、フィリピン大学の国際法研究所の女性のバビエラ助教授(Ailean S.P. Baviera)、外務省アシスタントセクレタリーであるガア局長(Willy C. Gaa)、フィリピンのNSC(National Security Counsil)マイヤー局長(J.Mier)でした。これにPhilmarの代表者で世話人のジェイ(Jay)が参加して、非常に率直な意見交換ができました。
2:フィリピンNSCのプレゼンテーション
まず、当方から、日本の最近の政治情勢と外交分野の分析を小川氏が報告し、続いてフィリピンのNSCから、南シナ海における領有権問題、特にフィリピンと中国の問題、最近の情報、それぞれの島に建設されている中国あるいはベトナムの施設の状況を示し、その一つひとつについての経緯、見通しについてパソコンとグラフィックを使った説明がありました。この資料はとても手際よくまとめられていたので、第3回ASEAN非公式首脳会議にむけて、既存のプレゼンテーションをアップデートしたもののようです。フィリピンにとっては、米軍の撤退後、これらの島々が次々と目の前で中国の手に落ちていくということを非常に懸念しており、中国の既成事実化を非常に懸念しておりました。
9会議への参加は、社)国際経済政策調査会が主催する 公海の自由航行プロジェクト委員として参加した。公海の自由航行プロジェクトは平成11年度日本財団助成事業として行われた。