それでガイドなしでドライバー氏に案内もたのんだのです。
確かに、Federal Express社のビジネスだけは成功しているように見られました。しかし、基地という大きな施設を返還してもらったあと、これを活性化し、地域の振興につなげるのは、国内需要が追いつかない限り、また国内の道路などの基盤が整わない限り難しいということがわかりました。道路事情についてはさきほどお話ししましたので、この点もご理解いただけたかと思います。
特に沖縄の基地が返還された場合、沖縄から国内あるいは隣接した台湾や中国、フィリピンへの輸送費を考えますと、どのようなビジネスが最も適合するかを事前によく検討した上でないと心配です。為政者は、スービックやクラークで起こっている現象を沖縄で繰り返してはなりませんというのが私の総合的な印象です。2
沖縄では、基地返還の跡地の利用に関していろいろなプランを考えている方も多いようですが、是非現実の姿を見ていただく必要があるということを強く感じました。
クラーク・エアフィールドとスービックの調査の概要はとりあえずこういうことです。スービックからマニラ市内へは4時間弱かかりましたが、場合によっては3時間で行くこともあるようです。しかし、雨が降ったり事故渋滞すると6、7時間かかることもあるとのことです。〈第16章に続く〉
2川村氏はかつて海上自衛隊第5空群司令官として沖縄に勤務したことがある