日本財団 図書館


第17章は、その会議終了後にマニラで行われましたPhilMarとの個別の会合での意見交換の内容です。特に南シナ海の情勢に関する意見交換を行ないましたので報告いたします。では、順を追って申し上げます。それでは、第15章の報告です。

 

この章のポイントは次の通りです

1:クラーク・エアフィールド(旧米空軍基地)の状況

2:クラークからスービックに至る道路交通の状況

3:スービック(旧米海軍基地)の状況

 

1:クラーク・エアフィールド(旧米空軍基地)の状況

 

第1日目(11月15日)、まずマニラ空港に午後1時に到着し、空港から直接かつての米空軍の極東太平洋地域における最大の基地に向かいました。フィリピンに駐留する米軍の地位協定改訂交渉が難航するさ中に、ピナツボ火山が爆発し基地の使用が困難に、米軍が撤退した経緯はご存知の方も多いでしょう。

いまでもクラーク・エアフィールドと呼ばれておりますが、米国からの返還が1991年ですので、もうすでに8年が経過しております。チャーターしたドライバー付きトヨタカローラで2時間半走りまして、日没直前に着きましたが、行って見ますと非常に広大な基地です。基地内を走っているうちに日がくれて真っ暗になりました。ススキみないな草が生えておりいまは狸か狐が出そうな雰囲気です。

現在はフィリピン空軍がそのままあとを受けて使っておりますが、フィリピン空軍は飛行機の数も少なく、兵力も小さいので、きわめて大きい施設を持て余しているという感じでした。これはあくまでも外から見ての感想ですが、かつての壮大な施設、建物等は、あるにはあるが、必ずしも管理が行き届いたとは言えない状態のようでした。

敷地の一部はフリーポートあるいは関税免除地区として使われているというので、沖縄の将来を考える上で参考になるかなと思い今回の視察のポイントとしたわけです。フリーポートという名前から、きらびやかなショッピングモールや空港の免税店のような商品が立ち並ぶ様子を想像し、さぞかしにぎやかな街だろうと思っておりましたが、実態は実にうら淋しいものでありました。

たしかに基地中には大きな無税売店があり、税金のかからない品物を売っており、街の人々も出入りできるのですが、品揃えは食料品あるいは生活用品に限られており、米国製のコーンフレークス、パルメザンチーズ、洗濯石鹸、クリスマス用品、ビールなどで、店に並べてある品物の種類あるいは数は、日本のスーパーマーケットに比べてはるかに劣る状況でした。もともと基地周辺の人口が少ない上に、現地の人たちの購買力が低いために、買い物に来ている人もほとんどまばらです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION