38:台湾有事と日本の行動:日本は国益を守るために行動するだろう
クエスチョン&アンサーでは、このほかにも、いくつか質問があったんですけれども、飛ばします。最後に、南西アジアにある非常に大きな国の方が質問しまして、「台湾問題で日本はどういう立場を取るのか」という質問がありました。
これに対して川村所長から橋本クリントン共同宣言以降、日本の新しい役割を宣言したわけですから、それまでの日本とは違うという発言がありました。
川村 もし、米国が介入し、そして米軍の死傷者数が増え始めるという事態になったときに、日本が何もしなかったら、米国民から日米安保不要論が沸き起こることは必定で、そうなれば、日米安保体制が危機に陥ることになる。そうなれば、日本の指導者は日本の国益を守るために海上自衛隊の艦船も出動させるし、またP3Cを飛ばして協力するだろうと申し上げました。
小川 川村さんのご指摘は、皆さんに非常に大きなインパクトを与えたと思います。
川村 日本は日本の国益を守るために行動するであろうと言ったわけです。国益を守るというのはひとつのrationalになると思います。
山本さんの持論は「そこははっきりと日本の国益にかかわる。とにかくバイタルな国益にかかわるんだから、いざとなったら日本はやるんだということ宣言すべきだ」というものですね。わたしは山本さんに賛成ですが、ひとつそれをrationalizeする理論を提唱したわけです。
山本 私が強く言ったのは、スタンスとしてはアメリカに協力するということです。
川村 別に台湾を守るためではなくて、日米の協力体制が日本にとって大事だから、それを守るためだったら、リーダーは強い信念を持って決断するであろう、ということでした。
小川 ありがとうございました。アジア・パシフィック・センターについてはこのくらいにさせていただきます。<以上>