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3. 期待される「観光まちづくり」に対する取組み

 

「持続可能な観光(サステナブルツーリズム)」の取組みは、大変、重要であるが、観光地づくりの主体としての「まち」の位置づけが不明確な面がある。すなわち、ともすると観光振興や資源の保全に重点が偏ってしまい、観光地で生活する人たちのコミュニティの問題が扱われにくい枠組みともいうことができる。しかしながら、観光振興も資源の保全も、取組みを成功させるためには、そこで暮らしている住民の理解と参加が重要である。

その意味で、観光地を有する「まち」の視点に立って、観光振興、資源の保全のあり方を検討する取組みが求められている。すなわち「まちづくり」の一環として、持続性に配慮した観光地づくりを推進するための取組みの枠組みが求められている。

 

このような取組みの枠組みを「観光まちづくり」と呼ぶことにする。これは、地域が主体となったまちづくりの一環としての観光地づくりである。ひとつひとつの地域で、まちづくりの推進主体を強化し、コミュニティの生活環境、資源の保全状況、来訪者の満足度など、総合的な視点から、観光地づくりに取組む考え方である。主体を明確にすることによって、観光資源をめぐるさまざまな利用と保全の制御に一元的に取組むことができる。

この観光まちづくりの考え方、取組みの視点について、次章のガイドブック編で整理する。

 

 

 

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