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2.2 海洋生物殺滅実験

(1) 実験内容・条件

ミキサーパイプの海洋生物殺滅実験は、下記の内容・条件で行った。なお、これら内容・条件は、実船の北米航路のコンテナ船を対象とし、前記、現有ミキサーパイプを何本か並列して、バラスト水漲水時および排水時の1パス処理、あるいは漲水・排水両時期に処理する1パス×2回処理を想定して設定した。

1] ミキサーパイプの入り口圧、流量(流速)等の実験条件

対象とした北米航路のコンテナ船のポンプ能力と、パイプ管内流速を基に設定した。

管内流速は、パイプ内径と流量で決定される。実験に供したパイプの内径は、40mmである。一方、対象船の管内流速は、2〜6m/secである。したがって、実験時の流量は、対象船の管内流速の範囲内となるように、次式の関係から170〜347L/min.で行った(詳細は、後述の実験ケース参照)。なお、パイプの入り口圧は、各実験時に実測した(0.85〜5kgf/cm2、詳細は、後述の実験ケース参照)。

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D:流量(L/min.)、Q:出口内径(mm)

注;圧力の単位:平成4年5月20日の新計量法の交付に伴い、圧力の単位はPa(パスカル)に統一されることとなり、平成11年9月末に猶予期限を向かえた。両単位の関係は、1kgf/cm2≒0.098MPaである。本報告書では、猶予期間中に多くの実験を行ったこともあり、従来の...kgf/cm2を用いることとした。

2] 実験場所および時期

実験は、佐賀県伊万里市の臨海実験施設で、平成11年4月〜12月まで断続的に行った(予備実験を含む)。

3] 実験対象生物

実験対象生物は、上記、実験施設の前面港湾海水(伊万里湾、築港の自然海水)中に含まれる全生物(動植物プランクトン等)を基本とした。なお、細菌に関しては一般的な指標として一般従属栄養細菌を、病原菌に関しては大腸菌群数を指標とした。さらに、有毒プランクトンの休眠胞子(シスト)としては、平成10年8月に広島県呉湾の海底泥から採集し、25℃暗条件下で約1年間貯蔵したAlexandrium属のシストを用いた。

 

 

 

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