(4) 旗国小委員会
1]条約実施促進のための政府責任および方策
2]IMO規定の実施上の困難さの包括的分析
3]船舶の旗国権利にかかる見解の検討
(5) 無線通信及び捜索・救助小委員会
1]GMDSS実施上のガイドラインの見直し
2]VTS(Vessels Traffic Service)および自動船舶識別システム
3]海上通信帯のIMO基準
(6) 航行安全小委員会
1]SOLAS条約第V章の見直し
2](人間工学を考慮した)船橋装置および配置に関する基準
3]全世界無線航行システム
(7) 設備・設計小委員会
1]RO-ROフェリーの安全装置
2]高速船コードの見直し
3]新船船上でのアスベストの使用禁止
(8) 復原性・満載喫水線・漁船安全小委員会
1]損傷時の復原性に関する関連規定の調和
2]満載喫水線条約の技術的規則の見直し
3]漁船安全コードおよび非強制ガイドラインの見直し
(9) 訓練当直基準小委員会
1]水先人の訓練および資格証明
2]一九九五年STCW条約(船員の訓練・資格証明・当直基準に関する条約)会議のフォローアップアクション
3]一九九五年STCW-F条約(上記の漁船バージョン)会議のフォローアップアクション
IMOの基準
IMOで策定された基準は、国際的に最低限順守しなければならない基準(ミニマム基準)ですので、これをべースとしてより厳しい基準を設ける国もあれば、この基準すら順守する義務を負うのを避ける国もあり、「総論賛成!各論反対!」ではありませんが、対応に大きな差があり、自ずとそれが会議にも現れることになります。
例えば英国は、海事政策としてより高い基準を設け、海上安全と海洋環境の保護を図り、十分な基準を満たさない船舶は排除するとの考え方を持っており(結果的に自国船舶の競争力を高めるとの考え方も包括されています)。
その考え方が直接会議の中に現れますし、逆に便宜置籍国等は厳しすぎるとしてこれに反対することになります。しかしながら、米国や欧州海運国は総じて英国と歩調を合わせ強大な意思決定力を確保しますので、結果的に彼らの考え方に引っ張られる傾向にあり、わが国は国内実態と実行可能性を考えながら、いずれの方向で対応していくのかしばしば苦慮することがあります。
このような傾向は、特に「RO-RO(ROLLL ON-ROLL OFF)船」「旅客船」および「高速船」に関する議題の会議プロセルにおいて、これら船舶の往来の活発な欧州にあっては、国策としてより高度な安全を確保しようとしますが、他の地域では必ずしも実態上これら船舶が問題となっていないとのギャップがあるにもかかわらず、結果的には半ば強引に意思決定に持ち込まれるというパターンが散見されます。
海洋環境保護問題
また、海洋環境保護問題では、欧米諸国の特に環境問題に厳しい考え方を導入している国をはじめNGOを含めて種々の提案がなされており、環境のエキスパートが参画しています。