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2]下り自動車群のシミュレーション

提案のスルーバンドマッチング方式で、上り自動車を系統制御速度40km/hで走行させた場合の下り自動車群のシミュレーション結果を図-5.3.8に示す。

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図-5.3.8 設備b)における下り自動車群のシミュレーション例 (サイクル長180秒)

なお、この場合のサイクル長は180秒、スプリットは50%としてシミュレーションを実施した。図-5.3.8より明白なように2群づつが束になってそれぞれの信号機で、信号待ちにより停車しているが、いずれも2〜3回の信号待ちで、最終日には同一のサイクル内でまとまって一つのバンドとして通過・走行している。

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図-5.3.9 設備a)における下り自動車群のシミュレーション例(サイクル長180秒)

(5) 設備a)におけるシミュレーション

1]上り自動車群のシミュレーション

上り自動車群のシミュレーションでは、設備a)も設備b)も同一のスルーバンドを通過するので、図-5.3.7と同一のシミュレーション結果となるので、本項のシミュレーションは省略する。

2]下り自動車群のシミュレーション

設備a)における下り自動車群の提案のスルーバンドマッチング方式によるシミュレーション結果を図-5.8.9に示す。

図-5.3.9では、図-5.3.8の場合と異なり、自動車群の流れが一つのバンドとしてまとまらず、最終的には、3サイクルにまたがって、発散し、走行している。この事象は、一見、平均速度が速く、得策と考えられるが、このシミュレーションは、一つ前のサイクルに自動車がいない場合の結果であり、前サイクルに飽和交通量があるならば、このように走行出来ないことは明白である。即ち、逆に、次サイクルの第1群の自動車は、本サイクルの第6群の自動車の後方を走行することとなる。

この例のように各信号機で通過できる自動車群を絞られる場合には、遅れが段々と増大し、いわゆる乱れが発散する現象であり、やがては渋滞の発生原因となる恐れがある。これを「発散現象」と仮称する。

上記のような発散現象がみられても、その交通量が少ない場合には問題ない。しかし上下の交通量が均衡する場合には、そのサイクル長を避けることが賢明と考えられる。

 

 

 

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