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5.3.5 最高速度を変化させた場合のLRV高速化の評価

前項のシミュレーション例ではサイクル長を変化させた場合について評価したが、次に最高速度を変化させた場合のLRV高速化について検討する。

設備b)においてサイクル長180秒、系統制御速度40km/hで、LRVの最高速度を50、55、60km/hとした場合のシミュレーション結果を図-5.3.6に示す。なお、各LRVの減速度は表-5.2.1に示した値で走行させたものである。また、図-5.3.6は各車両が閉そく制御を受けず、単独に走行するように変更した特殊なシミュレータによるもので、自動車と在来車も併走させている。

図-5.3.6のシミュレーション結果を数値的に比較したものを表-5.3.1に示す。表には、1駅間の走行時秒、6駅間の走行時秒、及び6駅間の表定速度を示している。勿論、LRVは最高速度60km/hの場合が表定速度も高く推奨されるが、現行の道路交通法では50km/h程度が妥当とし、最高速度を50km/hとしても、シミュレーション在来車に比し、表定速度が3.5km/h高く、それなりの効果が期待される。

表-5.3.1 LRVの最高速度と減速度、走行時分、表定速度の関係表

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5.3.6 自動車群の交通流からの評価―自動車群(パケット)のシミュレーション―

最高速度を変化させた場合のシミュレーション例(図-5.3.2〜5.3.4)における自動車の走行は1台のみであるが、道路交通の流れは、1台だけではなく、自動車群の流れを検討し、自動車交通を犠牲にしないことを確認し、評価する必要がある。そこで、自動車群の走行シミュレータを開発し、シミュレーションを実施した。次に自動車群(パケット)のシミュレーションについて示す。

(1) 基本的な考え方

自動車群の走行をシミュレーションする場合、乗用車換算で数台をひとつの群としてまとめ、これをパケットとして走行させると、鉄道の車両を列車としてまとめ、走行させる場合と類似したものとなる。そこで、すでに開発している鉄道用移動閉そくシミュレータの流用が可能となる。従って、この考え方を自動車群走行の基本的な考え方として導入する。

(2) パケット走行シミュレーションの前提条件

1]自動車の発生を一様到着として処理する。

2]1時間当たりの基準交通量を乗用車換算で1000台として、1秒あたり交通流量0.28台を標準として算出する。なお、この交通量は予め入力することにより変更可能である。

 

 

 

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