それと、何かこういうのは、非常に長い間続かないという傾向が、今まであったんですね。飽きてしまうというか。それからタネ切れになっちゃうという傾向があったんですが。開始時期を見ますというと、いろいろ書いていますけれども、私が行った岩手中部というのが大変古い開始時期になっていますけれども、これは広域市町村圏ができたのがここだというだけのことで、ここに書いているような事業をやり出したのはわりと最近のことなんですね。それで、お金が少なくなったこともあって、あんまり大したものはできない。ふるさと探訪ツアーだって、募集人員を上回るのがやっとというようなことで、ちょこちょこっとやっているという程度なんですけれども。
皆さんのを拝見してもわりと短い間ですね、期間的に。全体の調査でごらんになって、小田切さんのほうでおまとめいただいたので見ると、開始時期を見ると、やっぱり非常に新しいものが圧倒的に多いということですね。これは同じような連携であっても、題材を変えたらまた新しい組織というか、そういうのをつくるというようなことでやっているんだろうと思うんですね。それはそれで気にする必要はないのかもしれませんが、やはり広域的連携という場合には、非常にそういうことを緩やかに考えざるを得ないんじゃないかという気がいたします。
ほかに小田切さんの調査結果で、特に、今、何かおっしゃりたいことがあったらどうぞ。
小田切委員 ちょっと簡単に、ポイントとなるようなところだけお話をさせていただきたいと思います。今、委員長からもありましたように、実施の時期というのは、10年以内というところが半分以上ということです。広域連携を進める上での課題となるようなことで幾つかあるんですが、一つは、今の温度差ということも課題としては挙げられていますが、意見が構成市町村の中で、あるいは構成者間でまとまらない。意見の不統一みたいなお話。あとは財源面のことで、基金を積んでそれの果実を利用しているというケースが多いので、この低金利時代でなかなか財源が確保できない。それから、先ほどのリーダーの話とも絡みますが、リーダーがいないとか専門家がいないとか体制がとれないという、大きく分けてその三つぐらいの課題があるようです。
もう一方で、その広域連携の効果というところでは、期間が短いのでまだ評価ができないというふうな回答も多いんですが、効果があったという意見も比較的多くて、どういうふうなところに効果を見ているのかといいますと、一つは意識啓発ですね。これは、構成者間もそうですし、地域住民に対しての意識啓発というところができたという話。あとは、行政主導というか、どうしてもそうなりがちなところもあるんですが、民間を入れて事業を展開しているケースもありますので、そういう意味では事業機会というか、こんなふうな仕掛け、仕組みでやっていける事業があるんだという意味で、その機会ができたという意味では、あるいは、それをきっかけとして別の付き合いが始まったという意味では、効果があったというような回答が多くなっています。
特に多様な主体が構成に入っているケースがありますと、官だけでやった場合に比べて非常に事業に厚みが出たとか、単独ではできないようなものについてチャレンジができたとかいうところでは、非常に積極的に評価をしているというのが特徴的なところかなと思います。