◆市町村間の温度差の克服
柴田委員長 ありがとうございました。それから、たびたび今までもお話が出ているんですけれども、私が行った岩手県の場合、19市町村でやっている黄金王国。岩手県はいろいろな王国をつくっていまして、それこそ広域的、観光のための連携ですね。そういうのをやって一つだけうまくいかない、食べ物の穀彩王国、それだけが何かあまりうまくいかないようですが。あとは、それなりにうまくいっているようですが。
黄金王国というのも平泉・中尊寺からの連想で名前がつけられているんですけど、一種の観光宣伝ですね。目玉になるものがないところは、会費だけ取られてばかくさいなという感じがあるようなんですね。それでいろいろとそれぞれの市町村で目玉みたいなものをつくるように考えているけれども、非常にいいところと悪いところとどうしても出ちゃいますね。お客さんのほうで決めちまいますからね、観光なんていうのは。それで市町村間の温度差というのが大変話題に出ておりました。これはほかのところでも温度差というのがあったと思うんですけれども。これを克服するのに、どんなようないい知恵があったかということをちょっとお話ししていただければと思いますが、どなたか何かございませんですか。青野先生。
青野委員 九州ハイランド活性化協議会ですけど、実際、やっておられるのは各町村の企画担当の係長クラスなんですね。今は山を越えていかなくちゃいけない村、町同士が集まってきますから、初めて出会ったということで会話が進み一緒にやっているといった一体感が出ているわけです。初めは、15町村で発足したんですけど、一つやめてしまった町がいますが、真ん中がぽこっとあくのではなくて端っこの町がやめたから格好はついているんですけれども。
事業は観光開発が中心なんですけど、各町村のできる範囲のことで、ある時期を設定して1泊2日ぐらいのツアーを都会の人に呼びかけてやっています。それが無理な町村ですと隣村と一緒にやるとか、必ずしも1泊2日じゃないのを組んだり、ともかく一緒にやろうというわけです。観光開発をするので、個々の町村が持っている観光資源を、自然もあれば文化もあれば歴史もあるわけですけど、それを独自に組んで一斉に、といっても少しは日にちがずれるわけですけど、そういう形で温度差があっても無理のないようにということで、徐々に連携して仕事をやっていって、その中でいわば競争原理も働いてくるわけですね。個々の町村であんまりだらしないとうまくないということもありますでしょうし。ですから競争意識と言うと変ですけど、ほかの村、町、今まで接触もなかったところと、実際、課長、係長ぐらいが出てきてやり出すわけですから。ですから初歩的な段階では、無理をせず、その町村に合った格好で組み込むという、そういう工夫はしていましたね。これから先がどうなるかが、ちょっと心配ではあるわけですけれども。一つ町がやめてしまったこともありますし。
柴田委員長 ゆるやかな連携みたいなものですからね、余計、どうしても、これが何か行政的な統合まで行くということになると、温度差があったらそれをつぶしてしまっていく、温度差を消していかなきやならないんだけど、温度差はそのまま温存しながら行くほうがいいのかどうかということですね。それでしょうがないんでしょうかね。