日本財団 図書館


柴田委員長 矢吹さんは市町村職員ではないんですね。

村井委員 矢吹さんは市町村職員です。

柴田委員長 青野先生も、何かデザインセンターという変わった名前のところを。この事務局長さんというのは、ある意味での地域プランナーだったように伺っているんですけど。

青野委員 もともと平成2年に阿蘇環境デザインセンターというのが、阿蘇地域の地域づくりと観光開発を目指した財団法人として設立されていましたが、平成8年になって専任の事務局長を採るということで公募をしたんですね。そこで、若井康彦さんが応募して事務局長に就任したわけです。若井さんは、東京のシンクタンクで働いておられた方で、いろいろこういう関係の調査もやられていた方のようです。

その方が事務局長になられてから、拡充の方向で組織変更があって今の財団法人に改組されるんです。そして彼のアイデアで、冬の阿蘇をつくろうという事業が組まれる。年間に1,600万人の入込み客があるんですけど、冬になるとほとんどない。そこを逆手にとりまして、冬の阿蘇ということでかなりキャンペーン的に事業を組みましてやっていったわけです。そのときの冬の阿蘇をつくろうというときのキーワードというのが、大草原でウサギを追っかけようというものだったんです。冬にですよ。

それから音楽。ジャズとかオペラのコンサートを仕掛けてみたり、あるいは食文化だということで、いろいろな地域に密着した食、特に赤牛をどうやって料理するかというようなことでイベントを組んだり。アイデアが豊富な人で、かなりのリーダーシップを発揮しているように思いました。

その人のもとに3人の職員が町村から出向していまして、計画ですと10人規模にすると言われているんですけど、10人規模にしたらまた大変だなという気はあります。ただ専任はお1人のようで、さまざまな委託事業を受けて、それで事業を回しているという感じですね。

ですから、拝見してて、お金の引っ張り出し方もお上手なんじゃないかなと思います。やっておられることは同じなんですけど、いろいろ名目を違えてお金を引き出しているところも、リーダーとしての能力がかなりある方だなと思いました。

この方が単身赴任で来られて4年目になるんですが。大体全体を掌握されているようです。ただ、あの人がいなくなったらどうなるのかなという感じはします。しかし、多分、いなくならないでやりとおすんだろうとは思うんですけど。

柴田委員長 NPOというのは、リーダーがいなくなったときが非常に問題なんですね。

私も、町村で例えばUターン組なんかで、非常にそういう人が1人か2人で村全体、町全体を引っ張ってるという事例、それが見事に成功している事例というのは、今までもこの過疎問題調査会の調査におきまして何回も見てきたんです。今回のように、青野さんの挙げた例なり、あるいは太田さんの挙げた例というのはよその人ですね。市町村の行政でない人がやっているというので、そういうのが出てきたというのは、これはそれなりに、非常に意義の深いことなんだろうと思うんですね。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION