行政ベースとは別な連携
柴田委員長 どうもありがとうございました。今、ご紹介のあった調査でも、私どもがやったのと同じような印象を受ける部分があろうかと思います。また私どもが、今回、取り上げた現地調査団体とダブっているところもあるようでございます。ですから、そういう点も含めまして、それぞれの現地調査の報告で、またそれぞれの関係の方にしていただくわけでございますが、私どもとしては、今度の調査では、普通の市町村の広域行政、例えば隔離病舎を一部事務組合でつくるとか、常備消防を幾つかの市町村でつくるとか、そういうのとは違う、もう少し広い考え方、それこそ参加と連携といいましょうか、見ようによりましては、これから地域個性形成というのが、これは四全総でも言われていたんですけれども、特に分権の時代になると、今までのように平等ということでなくて個性形成、特色というのが大変大事になるだろうと思います。それの一つの方法として、一つの対応として広域連携というか、そういうものが考えられているのではないかなという印象を持ちました。
私も岩手県の二つの地区を現地調査させていただいたんですが、そのときも、行政の問題としては大したことはやってないなっていうのが正直な印象です。ただ一つの個性形成を幾つかの市町村で一緒にやろうというのでは、それなりの意味があると。もちろん問題点はございますが、そういう印象を受けたのでございます。それも含めまして、諸先生からいろいろご意見を伺いたいと思います。そこでご意見を伺う手がかりとして、先ほども申しましたように、地方分権の受け皿整備というところから、合併とか連合というのが出ておりますけれども、過疎地域で市町村合併をするとかいうようなことは、これはなかなかに問題があるだろうと思うんですが。もしも合併とかそういうのを考えるとしたら、どんなことを注意しなきゃいけないんだと。
それから委員会の中でご紹介があったこともあるんですけれども、生活空間倍増プランというような名前で、最近、地域活力創出プランというのがいろいろ行われておりますが、さらにそれをもっと広い、広域的にやろうというようなふるさと創生推進調査会、坂野重信さんが会長だったと思いますが、それがやろうとしているというのがあるようでございます。それについてのご感想も含めまして、いろいろお話をいただけたらいいと思います。また現地調査、それぞれやっていただいたんですが、そこで特に感じたことなども含めてお話をいただけたらと思います。
それでは、どういう順番にいたしましょうか。大変恐縮ですが、ひとつ太田先生からお願いいたします。
太田委員 広域連携の問題というのは一概に言えないですね。地域によって地域の風土とか住民の資質とか行政能力とかいろいろありますので、一概には言えないなということだろうと思うんです。そのことを前提に置いて、私の場合は新潟の二つの圏域を見てきたわけですけれども、感想を少しばかり述べてみたいと思います。
2か所を見て感じたことは、一口でいうと非常に緊張感があるということですね。それはどういうことかというと、一つは、私が想像していたより難しいことをやっているんですね。