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そのキーワードが広域連携であるというふうな紹介がございました。この21世紀むらづくり塾の8年度と9年度の調査の手法を見ますと、先ほど小田切委員からご紹介されましたこのたびの広域連携の調査とほぼ同じようになっているというのは、調査対象の広域連携の事業を進めている各団体、協議会というようなものが、大体類似の団体、あるいは同じような団体を網羅していることからそうなっているんじゃないかと思います。

いずれにしましても、この両年度を中心にご報告させていただきます。平成8年度の地域活性化のための広域連携整備に関する調査につきましては、全国の広域的な連携活動をやっている61団体に呼びかけましたが、36団体から回答がございました。

組織形態としましては、任意団体が非常に多い。それから福祉関係の施設を共同でやっているものにつきましては、一部事務組合という組織、形をとっております。活動分野としては、地域間交流とか厚生福祉というものが非常に多かったと思います。

設立段階での問題点は、回答では特になしというのが3分の2を占めております。あるいは詳しく言いたいことがあったのではないかなと思いますけれども、強いて挙げれば、若干の団体ですが、人材が不足している。運営資金の調達が難しかったというような回答が寄せられました。

事業内容としては、雇用の効果が上がったとか、こういった広域連携をやることによって生産者価格が回復したとかということが挙げられておりますが、将来の課題については、半分の団体が特になし、これもいろいろあったんだろうと思いますけれども。課題を挙げられた団体をみると、このまま事業が継続できるだろうか、行政主導から民間主導へうまく移行できるだろうか、活動資金のめどがつくだろうか、事業のマンネリ化を抜け出せるかというふうな課題が寄せられております。

まとめとしまして、事例紹介を3団体ほど簡単にやりたいと思います。高知県の中村市を中心とする8市町村で構成する四万十川総合保全機構。これにつきましては、住民参加の河川清掃とか植林等をやっているんですけれども、将来の課題としましては、草の根活動を広げる意味で、民間人の加入を促進していきたいという意見もございました。

それから東頸城広域まちづくり委員会。これは新潟県東頸城郡の6町村で構成されて平成4年からスタートしております。松之山町とか安塚町の東頸城郡でございます。都市との交流を促進するために温泉めぐりのチケットを出すとか、あるいは定住促進のPRをしているというふうなことを事業としております。将来の課題としましては、広域的な観点からいろいろな意見を吸い上げる仕組みを考えて、充実した事業をやっていきたいというふうなことを言っておられます。それから、ここでも話題に上がりました中国山地県境サミット。これは日南町が事務局をやっておりますが、4県16市町村で構成されて、先ほどお話がございましたように、11年度、国土庁長官賞を受賞した団体でございます。ここでおっしゃっている将来の課題としましては、行政同士の交流から住民、民間を含めた相互交流へ進んでいきたいと、こういう課題が出されております。

そこで、全体の広域連携を進めるポイントとしまして、この報告書で何点か挙げられました。

 

 

 

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