6. 成果と課題
阿蘇環境デザインセンターが設立されてから10年近く、それが現在の阿蘇地域振興デザインセンターに改組されてから、1年半余り経った。また、専任の事務局長が公募により採用され、事務局体制がひとまず確立されてから4年近くが過ぎようとしている。
計画されている基本金規模30億円が達成され、独自の安定的な財源(基本金の果実)が確保されるのが平成14年で、それまでにはまだ3年余りある。今の時点で、広域連携という点から当デザインセンターの成果を評価するのは時期尚早のきらいがあるが、事業活動の初期段階での評価はそれなりの意味があり、そこから学び取ることのできることも少なくないように思える。
これまでみてきた組織の現状、事業展開、財政状態に関して、得られた成果およびこれからの課題について、いくつかの点を指摘しよう。
まず初めに、デザインセンターの存在および活動が、総体としては、阿蘇地域における地域づくりや観光振興に大きな刺激を与え、新しい動きを創り出すのに成功している、と評価することができよう。これには阿蘇地域固有の状況や、様々な要因が絡んでいる。以下にそれらに関するいくつかの点を、これからの課題を含めて指摘することにしよう。
(1) 広域行政事務組合との関係
阿蘇郡12町村は、すでに見たように、昭和63年に広域行政事務組合を設置し、消防署・衛生処理センター・清掃センター・斎場・特別養護老人ホーム、養護老人ホーム等を拠点に、住民の安全で快適な生活や福祉にかかわる事業を実施している。