(b) 草原景観の保全
平成8〜10年度の3年間、環境庁自然保護局から「参加型国立公園環境保全活動推進事業」の委託を受け、草原景観の保全にかかわる事業が実施されている。
8年度には、九州地区国立公園野生生物事務所の協力のもと、学識経験者・地元町村長・畜産農家の代表などからなる「草原懇話会」を組織して、2回にわたって草原景観保全の長期的方向が調査・検討された。第2回の懇話会では、地元の原野管理組合の協力を得て、一般参加者も加わって、野焼き作業が体験された。この事業は広い関心を呼び、参加者数は、九州各地から合計650名にのぼった。
9年度には、前年度から引きついだ草原懇話会が開かれ、大分県玖珠郡九重町の草原で、意見交換会と野焼きが行なわれた。10年度は、とりまとめの年に当たった。草原景観保全のための課題の整理、保全の具体策を推進体制の検討がなされた。委託事業の一部が民間のシンクタンクに再委託された。
(c) その他
その他、蘇陽町からの受託事業として、町内の街並みや景観の整備事業策定調査が8・9年度に実施された。また、8年度には、前年度までの事業のとりまとめとして、「阿蘇グランドデザイン構想具体化調査」が実施された。
(4) 自主事業
10年度に、特別会計での自主事業であるコンサートが3回開催された。1つ目は、阿蘇地域振興デザインセンターの発足を記念するイベントとして開催された「阿蘇神社奉納21世紀ジャズコンサート」である。地元のジャズクラブやグループも主催団体に加わり、450名の参加者を数えた。2つ目は、地域づくりグループとの連携により南阿蘇での新たな地域づくりの展開を期待して、「秋祭り幕開けJAZZコンサート」が開催された。参加者は150名。3つ目は、女性だけの地域づくりグループが町村を越えて協力して開催された「酒井俊ジャズコンサート・満月の夕べ」である。参加者150名。
11年度には、宝くじ文化事業の助成をうけて、スロヴァキア国立オペラ座を招いて、2カ所で、「21世紀阿蘇オペラ・ガラコンサート」が開かれた。また、各町村の余剰農産物を活用して、オリジナル地ビールを開発・製造する企画が提案されている。