このほか、この地域には四万十川保全のための広域的組織がいくつか形成されている。
四万十川総合保全機構は、高知県内の流域8市町村で構成され、地域が一体となって四万十川の清流保全に取り組もうと、平成6年8月に発足した組織である。取り組み推進のための基金「四万十川ファンド」を創設し、その管理・運用の他、水質保全のための啓発活動などを住民や団体とともに進めている。「四万十川ファンド」は、全国の人々や企業に寄付を募り、四万十川の保全に役立てようとするもので、住民参加による美化清掃支援、森を後世に残す事業への協力、生活排水浄化への取り組み、環境保全型地域づくり・産業づくりへのバックアップなどの事業に支援を行っている。
四万十川流域住民ネットワーク(愛称:四万十 THE MANANET)は、流域の住民組織や個人が相互の交流を通じて、四万十川に関連する様々な取り組みを行うとともに、行政等に意見・提言を行っているネットワークである。個々それぞれの活動をベースとしながらも、それらを相互支援・相互交流するネットワーク機能をプラスし、個々の活動がより活発で効果的になることを目指している。会員は、流域の環境問題や地域興しに取り組んでいる住民組織や、婦人会・青年団などが加入している。今回取材を行った四万十ドラマも会員として活動を行っている。
(2) 団体の状況
A. 事業分野と組織体制
四万十ドラマは、3町村が合計2,400万を出資した第3セクターで、社長は町村長が持ち回りで務めている。実務に関わる従業員は2名で、そのうち正社員が1名、臨時社員が1名となっている。正社員は地元出身で一度村外で就職したがUターンをしてきた青年である。
四万十ドラマでは、約款上は地域振興に役立つ13の事業を行うとしているが、その中でも主な事業は次の5つである。
・会員制度事業
・「自然の学校」事業
・商品開発事業
・アロエ事業
・出版事業
このうちメインとなっているのは、会員制度事業で、全国に広がる、四万十川を愛する会員相互の交流ネットワークづくり(会員制度の維持)が主な活動である。
会員になると、春と秋の年2回発行される会員向け機関誌「RIVER」が送られてくる。