高知県でも、県の組織としては初めて川の名称を付けた「四万十川対策室」を設け、清流を守る取り組みを行っている。また、大正町にある高知県立四万十高校は、以前は大正高校という名称だったが、平成11年度4月から、四万十高校に校名変更を行った。全国的な知名度を誇る四万十川沿いに位置する高校として、四万十川を題材にした授業を開講している。そのため、地元からの進学だけでなく、大阪や関東地方などから入学してくる生徒も見られる。また、地域に密着した教育を行うことをモットーとしており、特に平成8年度から始まった地元の中学校と連携した中高連携教育では、ふるさと教育やスポーツレクリエーションなどを実施して、実績を上げている。また、平成9年度から、群馬県立尾瀬高校(群馬県利根村)と姉妹校提携を結び、交流を深めている。
四万十ドラマの活動エリアである3町村は、四万十川の上流から大正町、十和村、西土佐村の順に位置しており、3町村の間はJR予土線と国道381号線が結んでいる。3町村はいずれも過疎指定を受けている。
県庁所在地の高知市から、四万十ドラマの本社がある十和村までは、車で約3時間の距離にある。県内の最寄りの市は中村市で、十和村や西土佐村は隣接もしているが、道路の状況が悪いため、住民の買い物などの日常の生活行動圏は、愛媛県の宇和島市に依存しているケースが見られる。
十和村の面積は164.66km2で、その面積の9割を山林が占めている。村の人口は、3,862人で、高齢化率は26.7%である。主要産業としては農業が主であるが、平成7年頃からアロエの栽培に力を入れており、誘致企業が設立した現地法人の工場で、「しまんとアロエ」の名称でジュースや化粧品などに加工され、出荷されている。
2. 広域的連携の現状
(1) 広域的連携の状況
十和村、大正町、西土佐村の3町村は幡多郡の北部に位置しており、3町村で「北播振興協議会」という組織を設立している。この3町村は、協議会が結成される以前から地域的なまとまりが強かったが、3町村緒になって地域興しに取り組んでいくことを目的として、平成4年に協議会が設立された。四万十ドラマの設立アイディアも、この会から生まれてきている。
広域市町村圏としては、西土佐村が幡多広域市町村圏事務組合(3市3町2村(中村市、宿毛市、土佐清水市、佐賀町、大方町、大月町、西土佐村、三原村))に所属している。十和村と大正町は、高幡広域市町村圏事務組合(1市4町4村(須崎市、中土佐町、窪川町、檮原町、大野見村、東津野村、葉山村、大正町、十和村))に所属しており、この3町村のまとまりは広域市町村圏のそれとは圏域を異にしている。