第7節 株式会社四万十ドラマ(高知県)
1. 地域概況
(1) 地域特性
株式会社四万十ドラマ(しまんとドラマ、以下四万十ドラマと略)は、高知県の南西部に位置する、十和村、大正町、西土佐村の3町村が出資した第3セクターで、本社は十和村にある。
会社の名前にも使われている四万十川は、この3町村の中を東西に流れている。
四万十川は、日本最後の清流と言われる全長196kmの河川である。高知県の東津野村を源流に持ち、高知県中村市で太平洋に注いでいる。「しまんと」の語源としては、「非常に美しい」「多くの支川がある」などの意味があると言われている。四万十川は、200km近い全長を持ちながら、河川法で規定する堰堤高15m以上のダムがひとつもないことでも知られている(河川法上のダムはないが、源流地点から約50kmの窪川町家地川地区に、佐賀取水堰(通称:家地川ダム高さ8m)がある)。また、中流域から下流域にかけての勾配が緩く、大きく蛇行していること、現在では珍しくなった沈下橋が数多く残り、今でも地域の生活の中に根付いていること、など、改修が進んだ日本の河川の中では、元からの河川が持つ原風景が比較的残された、特異な存在となってしまったことなどの点でも知られている。