(5) 観光
首都圏から近く、日本最大の河岸段丘や日本三大渓谷の一つである清津峡、日本有数の高層湿原である小松原湿原、日本三大薬湯の一つでホウ酸の含有量が日本一といわれる松之山温泉など豊かな自然資源に恵まれている。雪国の伝統文化に根ざした人文資源も豊富で、縄文中期の精巧級密な火焔型土器が数多く出土し、名所旧跡も随所にある。
圏域全体が「マイライフリゾート新潟」の特定地域に、5地区が重点整備地区に指定されている。当間高原・苗場山麓・南越後地区の整備が進み、平成8年10月には当間高原地区が一部オープンした。全域で温泉施設、物産施設、公園施設などの観光関連施設の整備が進められている。ほくほく線の開業を契機に今後一段と整備が進む見込みで、広域観光ネットワークの強化やPRにより、交流人口の大幅な増加をめざしている。
圏域の各地にはスキー場が点在し、若者や家族連れでにぎわっている。雪を地域資源として活用するため、冷熱源としての利用のほか、十日町雪まつりをはじめ圏内全市町村で工夫をこらした雪まつりが展開され、交流人口の増加に寄与している。
2 越後妻有アートネックレス整備事業
越後妻有アートネックレス整備事業は、新潟県と圏域6市町村の広域連携で実施されている地域づくりプロジェクトで、21世紀へ向けた圏域の自立の礎を築くため、1998年から10カ年計画で行なわれている。事業の行政組織主体は「十日町地域広域事務組合」である。
遠く縄文以来、この地域では豪雪の中山間地帯という厳しい風土の中で、独自の文化が育まれてきた。人々が自然を敬いながら重ねてきた創意工夫は、今後の世界にとって重要な財産である。縄文のころのようにこの地域が時代の先頭に立って走り出すために、世界に対して強く訴えかけようという願いと決意が込められた意欲的な事業である。
(1) 理念
「人間は自然に内包される」という事実を改めて確認し、世界の人々に強く訴えかけるために、越後妻有の豊かな自然に学びながら、地域の人々が誇りを持って生活することのできる「美しい越後妻有の里づくり」をめざす。
(2) 事業の目的
・圏域内市町村の有機的な連携により、地域内外の交流を活性化し、交流人口の増加と滞在性、再来性を高める。
・地域に住み続けるための展望と夢を構築し、ふるさとへの愛情、誇り、帰属意識の醸成を図る。
・圏域の魅力を住民参加で再認識するとともに、一流のアーティストや建築家とかかわりながら世界に向けて発信する。