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旅客鉄道の輸送密度

国鉄の時代に、旅客輸送においてローカル線の中には需要が大幅に減少したものがあった。原因は、過疎化の進行やモータリゼーションの進展であった。これらの路線の赤字が、国鉄の経営悪化の原因のひとつでもあった。1981年には、経営の合理化を図っても、収支均衡が困難な路線を地方交通線と定義づけ、バス転換を促進することとなった。その際に、目安として使われたのが、輸送密度という考え方で、路線1キロあたりの1日の輸送人員をいう。地方交通線1日1キロあたり4,000人である。しかし、日本の中小私鉄では、2,000人程度で採算が取れているケースもある。

 

地方鉄道新線

国鉄の経営形態の時期には、需要の少ない路線のバス転換が検討されたと同時に、建設予定の新線も工事が一時中断された。これらの路線のうち、地方自治体が第三セクター形式で経営することとなった路線は、新線建設の実施が認められた。国鉄の経営形態変更後、日本鉄道建設公団により、建設が再開されている。これらの路線を、地方鉄道新線という。秋田内陸縦貫鉄道、三陸鉄道の1部など10社が既に営業を開始している。現在3路線が建設中である。

 

 

 

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