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ダブル・トリプルトラック化基準の廃止

ダブル・トリプルトラック化基準値は、導入以来、更なる企業間競争の促進と消費者利益の向上のため、段階的に引き下げられてきた。1986年の基準値は、ダブル化では年間70万、トリプル化では年間100万人であった。1992年に最初の見直しが実施された。1996年には、幅運賃制度導入による運賃面での規制緩和と連動し、ダブル化基準は20万人、トリプル化基準は35万人へと引き下げられた。その後、需給調整規制廃止等の規制緩和の議論が活発化する中、1997年4月に、ダブルトリプルトラック化基準は撤廃された。その結果、新規企業を含むあらゆる航空会社がすべての国内線への就航が可能になった。

 

国内航空の需給調整規制の廃止

運輸省は、1996年12月、需給調整規制を1999年に廃止することを決定した。その目的は、航空会社間の競争促進を通じ、低運賃かつ多様化された利便性の高いサービスの提供を実現し、また透明性の高い制度を構築することである。従来、国内航空の需給調整規制は、航空法の下、各路線における供給輸送力を需要に合った水準に維持し、過当競争を防止することを目指していた。同規制の廃止に伴い、路線ごとの免許制から事業ごとの許可制への移行、運賃の自由化等の新たな制度の導入が予定されている。また、需給調整廃止に向け、離島航空路の維持、混雑空港での発着枠配分ルールの確立等の問題への取り組みが運輸政策審議会を中心に行われている。

 

 

 

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