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幅運賃制度

運航に関わる平均費用に適正利潤を加えた標準原価を上限とし、一定の範囲内で国内航空運賃を自由に設定できる制度のことである。1995年9月の経済対策閣僚会議で導入が決定、1996年5月より25%の幅で実施された。航空各社は顧客の要望に対応した自由な価格設定が可能となった。同制度における標準原価を上限とする新たな運賃設定方式は、企業に経営効率化を促す効果(ヤードスティック効果)があると考えられる。標準原価は複数企業就航路線の原価に基づいており、より競争的な環境の中で決定されている。原価算出方法は公表されており、透明性が高い制度でもある。1999年には、幅運賃の下限規制が撤廃される予定である。

 

ダブル・トリプルトラック化(複数社化)

1986年に事業分野・路線参入ルールとして導入された。1985年までは、1970年閣議了解と1972年運輸大臣通達の下、航空企業間の過当競争防止のため、45・47体制と呼ばれる主要3社間の事業分野区別(日本航空は国際線と国内幹線、全日空は国内線、東亜国内航空(当時)は国内ローカル線と一部幹線)が設けられていた。競争促進のために新たに導入されたダブル・トリプルトラック化は、国内同一路線において2社、あるいは3社による就航を認める制度である。年間利用者数が一定基準値を超えた場合、複数社化が実施される。1996年までに、ダブル化路線は3から22、トリプル化路線は7から29へと拡大した。

 

 

 

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