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3 高齢者に対する経済的援助

 

低所得の高齢者に対しては、前項で述べた高齢者の最低所得を保障する非拠出制年金の他に、老齢年金によるヘルパー利用費負担のための給付、在宅維持者および施設入所者に与えられる社会扶助によって経済的支援が与えられている。

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(1) 要介護高齢者に対する援助――介護給付の創設

 

日常生活において介護者を必要とする高齢者に対して、介護費用を負担する手当を創設することの必要性が叫ばれていたが、1997年から「介護手当(PSD)」の支給が開始された。

介護手当(PSD)は、成人障害者に対して県が負担する社会扶助「第三者補償手当(allocation compensatrice pour tierce personne)」に代わるものである。第三者補償手当(AC)は、障害者(障害の程度が80%以上)と同様に高齢者にも適用され、在宅維持者でも施設入所者でも受給できる手当であった。手当は現金支給で、受給者の所得と要介護レベルによって支給額は異なる。しかし第三者補償手当(AC)は高齢者が受給するには支給条件が厳しく、県によって支給条件も異なるという不平等性があることなどが問題視され、1997年からは同手当に代わって、60歳以上の要介護者のための給付が創設されたのである。

介護手当(PSD)の創設に先立って、1995年から1996年にかけて、フランス国内の12県で、新たな給付として「実験的介護給付」の支給が試された。この実験的な給付では、在宅あるいは施設入所の高齢者を対象に要介護度レベルを測るAGGIR表(Autonomie Gerontlogique Groupe Iso-Ressources)を使って要介護度を測ったり【図表23参照】、医療社会施設の施設機能を分析することによって、新手当が高齢者が必要とする援助に応じるものであるかなどが試された。

 

 

 

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