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第6章

官民接点情報システムのさらなる発展に向けて

 

前節まで、官民接点情報システムのCS戦略について検討を行ってきたが、1章で述べた通り、民間企業ではCS戦略の次のステップに進んでおり、行政機関においてもCS戦略の仕組みが整ったあとは、早急に次のステップに向かうことが必要と考えられる。

企業のマーケティング戦略においては、CS調査を基にした「顧客が満足する商品・サービス」の次のステップとして、顧客とのコミュニケーションに基づく「関係構築」による戦略が進められている。しかし、行政機関における「国民が満足するサービス」の実現においては、「顧客」の範囲の広さによりCS調査を行うことが容易ではない。しかし、官民接点情報システムを活用することにより、前章まで述べてきたような「期待水準の適正化」、「CS調査システムの確立」及び「施策へのフィードバック」を実現できた場合には、官民接点情報システムを含む行政サービスについても、次の段階に進むことが可能と考えられる。

 

(1) 行政機関と国民との関係構築

行政機関における各種サービスは公共の福祉を目的としているものが多く、利用が少ないサービスについても、民間企業のように切り捨てて新商品やサービスに切り替えることはできず、サービス内容の改善を行ったり、国民の関心を高めることにより、利用を促進することが必要となる。官民接点情報システムを利用すれば、このような活動を効率的・効果的に進めることが可能となるため、行政機関においても「関係構築」のステップに進むことが期待できる。

例えば節水やごみ抑制等に対し、国民に協力を促すだけではなく、国民とコミュニケーションする場を構築し、国民ともに考え、国民の発案も活かして施策を策定することにより、国民に受け入れられやすい施策の実現を図るとともに、施策の実施においてもコミュニケーションに参加した国民やその国民に勧められた国民が積極的に参加することが期待される。

このように、官民接点情報システムの構築においては、主目的の機能(例えば施設予約や電子申請等)だけでなく、コミュニケーションの場としての活用についても検討し、行政機関と国民との関係を深め、施策の価値の再認識や新規施策の共創を促進することが重要である。

 

 

 

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