企業の場合、顧客とは対価を支払って自社の商品・サービスを購入する国民であり、自社の商品・サービスに満足できずに他社の商品・サービスを選択した国民とは何らの利害関係もなく、将来、顧客になる可能性はあるにしても少なくとも現時点では顧客ではない。これに対し、行政機関の場合、官民接点情報システムを整備・運用する予算は主に税金から拠出されるため、利用ニーズがありながら行政機関側の問題点により官民接点情報システムを利用できない国民は、企業に対価を払っていながら企業の商品・サービスを利用できない状況と同様と判断される。特に、切迫した利用ニーズがありながらシステムに問題があって利用できない場合、民間企業のケースと異なり、他の選択肢もないため深刻である。
また、官民接点情報システムの利用者が当初の想定より少なくても、その分システム整備・運用コストを削減することは難しい。むしろ、システム導入により削減できると想定していた窓口コストが減らない分、トータルで見るとコストが増加する可能性もある。このような状況を考えると、官民接点情報システムについては、「利用ニーズがありながら利用していない国民」も「顧客」と定義してCS調査の対象とすることが考えられる。