第4章
官民接点情報システムにおけるCS評価手法の適用分析
1章では、民間企業におけるCS評価の現状及び行政機関への適用検討、2章、3章では官民接点情報システム及び行政評価に関する事例調査に関して記述しているが、本章ではそれらの結果を基に、官民接点情報システムに関するCS評価の適用検討を行うこととする。官民接点情報システムに対してCS評価手法を適用する場合には、国民満足度の調査・分析を行うための当該システムの評価基準について整理する必要がある。官民接点情報システムの評価ポイントは、以下の2項目に分類できる。
○ システム整備・運用事業としての評価基準
計画されている官民接点情報システムの構築目的の妥当性、現在、運用されているシステムによる当初目的の達成度、コスト対導入効果等、事業に対する国民のCS評価を行う場合のポイント。
○ 情報システムとしての評価基準
官民接点情報システムの信頼性、安全性、操作性、その他、官民接点情報システム本体に対する国民のCS評価を行う場合のポイント。
本章では、上記の観点による官民接点情報システムのCS評価のポイントについて整理するとともに、評価における課題を抽出する。
4-1 官民接点情報システム整備事業に対するCS評価
一般に情報システムの評価を行う場合、情報システムの導入効果として削減された人件費や紙等のコストと開発・運用コストを比較する場合が多い。行政情報システムでも、経理システムのような庁内OAシステムの場合は、そのような評価が適用可能であるが、官民接点情報システムの場合は、情報公開、地域活性化、ワンストップ・ノンストップサービス等、コスト削減に結びつきにくいものが多い。また、評価を行う際の調査に関しても、庁内OAシステムの場合はユーザが行政機関の職員に限定されるため、システム評価に関する調査も容易であるが、官民接点情報システムの場合はユーザが不特定多数の国民であるものが多いため、調査作業の負荷が大きい。
ここでは、民間企業における情報システム整備・運用事業の評価手法を整理した上で、官民接点情報システムへの適用を検討する。