3-2 アメリカにおける取組事例
アメリカでは、連邦政府よりも地方政府(州・自治体)の改革の方が先行している。
連邦政府は、1993年にクリントン大統領により設立された改革の提言を行うための実務家スタッフによる特別タスクフォースチーム「NPR」(National Performance Review)により、国民に対する行政サービスの基準設定や成果志向の行政評価システム導入等、政府機能の向上と経費削減への取組を現場レベルのTQM活動を通じて開始した。同年制定された経営レベルのほうから、予算と事業計画の統制をはかる目的で施行されたGPRA (Government Performance and Results Act)法は、2000年から連邦政府各省庁は、政策・予算をすべて具体的な目標設定と指標で説明することを義務づけ、2000年以降は国民に対して業績評価に基づいてその目標をわかりやすく説明できないような政策や予算には、今後人も金もつかなくなるという基本方針も示されている。アメリカ連邦政府においては、このNPRとGRPA法の2つを行政改革の柱として成果をあげてきている。このような「顧客志向」「成果志向」の発想は、既に地方に根付いており、カリフォルニア州サニーベール市では70年代には行政評価を導入し、現在では、地方政府の過半数が行政評価を導入済みである。
(1) アメリカにおける行政評価の最新動向
慶応義塾大学の玉村雅敏氏によると、現在アメリカにおける行政評価で重視されているのは、次の3点とされている。
1] 効果的なアカウンタビリティをいかに実現するか
住民から見てわかりやすい形に行政システムを改革する方法が採られ、具体的には、以下のようなシステム整備が行われている。
・業績評価(行政活動のパフォーマンスを数値指標で示す)
・市民憲章(政策の効果を市民に公約する)
・公会計制度の整備(貸借対照表・資産会計の作成、公開)
また、このような仕組みの導入した後に行政機関の行っていることを住民に効果的に伝える伝達方法としてインターネットの活用が進められており、行政機関の行っている全ての活動やプログラムの情報をHP上で公開しており、国民が検索機能やハイパーリンクの構造を利用して、多様な切り口から行政機関の活動を把握できるような仕組みを構築し始めており、国民のコメントを電子メールで受け付けるシステムと合わせて国民との「情報共有」の役割を果たす手段として活用されている。