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3-1 イギリスにおける取組事例

イギリスの自治体改革の特徴は、納税者もしくは行政サービスの利用者が民間企業でいう株主や顧客に相当すると考える保守党のサッチャー元首相の強力なリーダーシップにより、国主導で「非効率性の排除」と「アカウンタビリティの向上」を徹底し、行政サービスの目的を税金あるいは利用料金のValue For Money(最小のコストで行政需要を充足すること)を高めることとして、VFMが追求されたことである。具体的には公営企業の民営化などのほか、地方自治体に対してのベンチマーキングの手法導入、またCCT(強制競争入札)という、自治体が民間企業と競争し、入札に負ければ職員は解雇されるという制度まで導入された。現在は、労働党のブレア現首相により、CCTは廃止されたものの、Best Value(最良のサービス供給)の考えが導入され、住民の意見を行政サービスに反映させ、顧客志向・住民本位の行政サービスの提供を図っている。

 

(1) 市民憲章(Citizen's Charter)

市民憲章は、90年代にメジャー政権によって導入された制度で、納税者に対して行政機関はどれだけのサービスが出来るか(サービス基準)を定めたものである。そのサービス基準を自治体と住民との一種の契約とみなして、福祉やごみ収集、開発規制、環境保全等公共サービスの水準を設定し、高い目標を達成した機関は、チャーター・マーク制度と呼ばれる表彰制度で表彰を受けて全国に紹介され、水準を守れなかった場合には、契約違反者として自治体は制裁を受けるものである。また、住民に対して市民憲章に定めた行政サービスが実際にどこまで達成されているかが公開されるようになっている。

市民憲章は、次の6つの基本行動指針に基づき、次頁の手続きにより、作成されることとなっている。

1] サービス基準設定

2] 情報公開原則

3] 選択の自由の提供と改善の義務

4] 礼儀と奉仕の精神

5] 是正措置の確保

6] 効率運営

 

 

 

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