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(2) 都市計画マスタープランヘの活用結果

研究の結果として、以下のようなことが整理されている。

○ インターネット利用のメリット

1] 参加者数の拡大

www上のアンケート結果等から、年間で最大5,000人程度の住民が計画情報に接したと推測されている。参考までに同時並行して市内5地区で計10回開催されたポスターセッション(展示説明会)への参加者数は261人とされている。

2] 新しい参加層の獲得

同アンケートの結果から参加者の性別は94.1%が男性で、年齢は20、30歳代が67.8%を占め、40歳以上は19.8%であった。そのうち、全体の81.8%が地域や行政のまちづくりに参加した経験がないと答えており、新しい参加層の獲得につながる結果となっている。

3] 意見数の増大

インターネットからの意見は306件で、ポスターセッションは283件、葉書による意見は14件とされている(ただし、電子メールの意見内容は計画に対する意見が3分の1程度で、その他はインターネットを活用した参加手法への意見であったとされている)。

4] 市民からの地域情報の提供

電子メールによる意見内容には、防災、道路、公園、緑などに関わる地域のまちづくり情報が多く含まれているということであった。

5] インターネット活用への指示

計画試案や策定過程の積極的な公開を歓迎する電子メールが住民から多く寄せられ、新しい参加の窓口として期待する意見が多いとされている。

○ インターネット利用の問題点

1] 計画内容への理解不足

意見提出者に対する電子メールアンケートの結果では、25.9%が「全くわからない」と回答しているとされ、ポスターセッションで「わからなかった」という回答が10%未満という結果と比較するとインターネットでは理解が得にくかったのではないかと思われる。

2] 少ない閲覧ページ数

1回のアクセス当たりの閲覧ページ数は、計画試案の回数を追う毎に減少している。

3] 1日当たりの意見数の減少

アクセス数は運用開始後6カ月位で1日あたり54件前後に安定し、その後低下しなかったのに対し、そのうちの意見を述べる人の数は6カ月目をピークにその後減少していった。

 

 

 

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