(5) 考察
・行政機関と住民の間のコミュニケーションには多様な手段が考えられるが、本事例においては、対象とする高齢者住民の特性を考慮し、TV電話という比較的親しみやすいインターフェイスを採用しているため、住民にとって手軽かつ容易に利用できるシステムが実現されている。また、ISDN回線を利用し、必要に応じて接続するネットワーク形態を採用しているため、ネットワーク構築・運用コストも低減されており、村の規模を考えれば適正なシステム構成と考えられる。
・遠隔医療システムの推進についても、診察だけではなく薬の宅配システムについて、全国に先駆けて導入するなど、利用者の利便性を第一に考え、先進的な試みを推進するという点は高く評価できる。
・人口の約25%を65歳以上の高齢者が占めているという状況を踏まえ、TV電話というface to faceが可能なネットワーク・コミュニケーション手段を用いて成功している例は、同じ様な高齢化等の問題に悩む地域についても、今後参考になる事例であると思われる。