2-3-1 福井県大飯町「i ネットピアビジョン」
大飯町地域情報ネットワーク構想「i ネットピアビジョン」は、町内の全世帯が加入しているCATV網を利用して、子供からお年寄りまでだれでも家庭のテレビからリモコン操作で電子掲示板や電子メールが利用できる環境を実現し、行政情報の提供や行政と住民、住民間のコミュニケーションを推進する計画である。2001年の事業開始を目指し、今年2月から一部の世帯で実用テストを開始している。
(1) 整備の経緯
大飯町では、昭和55年にCATV網を開局しており、全世帯が加入している。平成7年には、双方向通信を可能としており、i ネットピアビジョンは、この通信網を活用して構築を行っている。
本計画は、当時の町長がCATVを使ってリモコンで簡単に操作できる情報システムはできないかという意見を基に平成10年度から検討が開始されている。当初は、WebTVの利用も検討されたが、CATV網や既存の家庭用テレビ端末の活用を考慮し、昨年暮れにオラクル社から発売になったシステムをセンター及び各家庭の端末に付加し、i ネットピアビジョンを実現している。CATV網を活用することにより、町と町民を接続したイントラネットとして独自の情報発信を行うなど、電子メールを交換する事も可能となっており、町のPRにも役立つものと期待されている。
今年の2月〜3月で50世帯規模の動作試験を行い、6月からは80世帯規模でコンテンツサービスを含めた形態での実験を行っている。次の段階としては、来年の3月までに500世帯で実験を行う予定であり、平成13年度には、全世帯へ設置しての事業化を目指している。
(2) 提供サービスの内容
現在、試験的に提供を行っているコンテンツとしては、以下のものがある。それぞれ、絵を多用し、見やすさ、分かり易さに配慮したレイアウトとなっており、初めて使用する人でも情報参照程度は行えるものと想定される。
1] 「みんなの広場」
町民の参加を目的とした双方向の電子伝言板である。イノシシの駆除等、地域独自の問題について、住民の意見を聞くなど、対策情報を提供する等の利用方法が検討されている。