図1-8は、縦軸に「期待水準(企業が提供するサービスに対して顧客が期待する水準)」、横軸に「パフォーマンス評価(企業が実際に提供するサービスの評価)」をとり、「満足空間(顧客が持つ満足のレベルを示す)」を構成したものである。
以下では、「本質サービス」、「表層サービス」のそれぞれについて、顧客満足度向上のための施策について整理する。
1] 顧客満足空間マップに対応した各空間への対応戦略(本質サービス)
本質サービスにおける、顧客満足度の向上戦略について、図1-8に示す。
出典:有斐閣 顧客満足型マーケティングの構図
[満足空間への対応(維持戦略)]
本質サービスに関しては前述の通り、最低許容水準以上に達していれば、これ以上、投資して強化を図っても、CSは向上しないと予想される。ただし、投資を控えて許容水準を割り込むとCSは急激に低下するため、現水準の維持を図るという戦略が必要となる。
[不満足空間への対応]
顧客が本来求めているサービスに対し、不満を感じている状態であり、その他の部分でカバーすることもできず、サービス全体が利用されなくなる可能性があるため、そのサービス項目に関し、早急に強化を図る必要がある。
[潜在的満足空間への対応(期待上昇化戦略)]
既に、許容水準を上回っているのであれば、そのサービスをさらに強化する必要はないが、そのサービスの重要性を顧客にアピールして期待を高めることにより、CSを向上させることが可能となる。