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1] 本質サービスの性質

本質サービスについては、顧客にとっての最低許容水準(左図 P')以下のレベルになると、「これならば利用する意味がない」という評価となり、満足度は限りなくマイナスになる。また、顧客にとって必要なサービス水準(左図 P”)に達すると、顧客の目的は達せられるため、満足度はそれ以上上昇しなくなる。

 

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図1-7 本質サービスと表層サービスの充実度と、満足度の関係

出典:有斐閣 顧客満足型マーケティングの構図

 

例えば、住民票の写しの交付においては、適度な待ち時間で確実に交付されれば、国民の満足を得られると考えられるが、待ち時間が5分から4分に短縮されてもCSほとんど変わらないと想定される。したがって、本質サービスについては、顧客の最低許容水準を下回らないこと及び顧客にとって必要な水準を超える過剰な投資をしない配慮が必要になる。なお、許容水準は個人差があるため、妥当な水準を設定するためには、CS調査が必要となる。

2] 表層サービスの性質

表層サービスは顧客にとって不可欠なものではないため、本質サービスの評価が満足であれば表層サービスに対し不満を感じていても総合的なCSはマイナスにはならないと考えられる。

 

 

 

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