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1-1-2 CS戦略の実際

ここでは、1-2節で行う民間企業におけるCS手法の行政機関への適用検討に向けて、具体的なCS評価及び戦略への活用手法を整理する。

 

(1) 顧客満足の構成要素

顧客満足の構造に関しては、サービスを「本質サービス」と「表層サービス」に分類する考え方がある。「本質サービス」とは、顧客が支払う代価に対して当然受けうると期待しているサービスであり、「表層サービス」とは、「代価に当然付随するとは思わないが、あるに越したことはない」と期待するサービスである。パソコンという商品を例に取ると、「本質サービス」はパソコンの性能や機能等、パソコン購入の本来目的に沿ったものであり、「表層サービス」はデザインやアフターサービス等、付随的なものが該当する。

行政サービスで考えれば、住民票の写しの交付や転出・転入手続において、手続受付や処理は「本質サービス」であり、手続案内パンフの配布や窓口職員の態度等は「表層サービス」である。

 

表1-1 「本質サービス」と「表層サービス」の例

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この2種類のサービスは、異なる形で顧客満足を形成していると考えられる。次項において、その概要を示す。

 

(2) サービスと満足度の関係

本質・表層の各サービスの充足度と顧客満足度の関係は、図1-7のように表現することができる。

 

 

 

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