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改正住民基本台帳法において、民間事業者の利用が厳しく制限されているのは、国民一人一人にユニークに付与される住民票コードがあるためである。このコードを活用して、民間事業者がデータベースを構築すると様々な個人情報がマッチングされ、個人の権利利益が侵害されるおそれが高まるというのである。

上記のことを逆に考えれば、住民票コードを除いて、基本4情報だけを民間に提供すること自体は特に問題ないこととなる。実際には、コードなしでファイルが提供されても、受領者側でそれを住所変更に活用するのは困難であるが、技術的には不可能ではない。一般に、氏名と生年月日で90%以上が特定できるといわれており、コードなしでもデータ更新は可能であると考えられる。ただし、このような電子媒体によるファイルで基本4情報を民間に提供することは、大量の個人情報を多角的に使用することにつながり、個人の居住関係を公証するという趣旨から外れることになるという考え方もある。

改正法による住民基本台帳ネットワークの構築、運用コストを考えたとき、これを納税事務に使うことのメリットが想定される。しかしながら、納税事務に住民票コードを使用することは、住民票コードが民間に示されることになり、その民間利用を禁止している改正住民基本台帳法に触れる事となる。納税者番号による徴税事務の適正化が長い間の議論になっていることから、いずれこの問題が検討されるべきであろう。諸外国では個人コードを税事務に使用しているところがあり、日本ほど反対が強くないように思われる。収入を適正に把握し、適正に徴税することは当然のことであるという考え方に基づくのであろう。

 

 

 

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