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4-3-3 個人情報保護制度の確立

 

ワンストップサービスは、個人情報が複数機関で利用されることを意味するだけに、その実現のためには、個人情報の保護制度が確立していることが前提である。住民基本台帳法改正の国会における審議において、住民基本台帳事務だけではなく、民間を含む全体の個人情報保護措置の必要性がいわれたことは既述のとおりである。ワンストップサービスの実現に向けた方策を検討する上で、考えられなければならない事項は以下のとおりである。

 

(1) 包括的な保護制度

ワンストップサービス、特に住所変更手続においては、関係機関が市町村、県、国の行政機関にまたがることとなるため、機関ごとの保護措置だけでは対応できない面が出てくる。住民基本台帳法改正時の国会審議過程で、民間を含めた包括的な保護システムを整備することが前提となった所以である。それを受けた、高度情報通信社会推進本部の個人情報保護検討部会の『中間報告』では、「わが国の個人情報保護システムの中核となる基本原則等を確立するため、全分野を包括する基本法を制定することが必要である。」とされたのである。

自治体の多くは条例等で方策を規定しているとはいえ、その内容が区々であり、制定していない団体がある状況である。また、改正住民基本台帳法では厳しく規定しているにもかかわらず、その他事務において個人情報を利用している場合の保護措置の規制程度が異なるという問題がある。

全分野をカバーする包括的な保護措置として、基本法の制定に向けて上記の個人情報保護検討部会に、「個人情報保護法制化専門委員会」が平成12年2月に設置され、検討が開始された。同委員会の開催要領の目的に「我が国における個人情報保護システムの中核となる基本的な法制の確立に向けた法制的な観点からの専門的な検討を行う。」としている。平成13年の通常国会に法案を提出するというスケジュールで作業が進められることとなった。

住民基本台帳事務における個人情報保護は改正法でカバーされるので問題はないが、その他事務における保護法策は団体による差異があり、カバーされていない団体もあることから、包括的な保護システムでカバーされるべきであると考えられるが、実際の法案でどのように規定されるか注目する必要があり、それによって、各自治体における法制度を検討する必要が出てくるであろう。

 

 

 

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