さらに、改正法では住民基本台帳カードは本人の申請によって交付されることとなっているが、これは、全国民に交付することにすると、カードの携帯、提示を義務付けるかのような強制感が出てくること、また、プライバシー侵害への不安が出てくること等を配慮したものであると考えられる。
しかしながら、既述のようにわれわれ日本人は本人確認手段として公的身分証明書を持たず、ましてネットワーク上で本人確認する術を持たないという状況にあり、これでは住民基本台帳ネットワークによるワンストップサービスの実現は望めないのである。住所変更ワンストップサービスの観点からも、このカードの利用による行政サービスの質の向上
を図るために、自治体における積極的な普及定着方策が求められよう。
(7) 時間外サービス
住民票の写しの提供に関して、一部の団体で自動交付機による時間外サービスが実施されているが、コストが高い割にはサービス内容が限定されており、設置場所も制約があることから、今後大幅に拡大することは期待できない状況にある。
改正法による住民基本台帳ネットワークにおいては、住民票の写しに記載される基本4情報が全国センターへ送られていることから、住民票カードを使用して、住民基本台帳ネットワーク用のネットワーク・サーバーから全国センターヘアクセスできるようにすれば、システム的には、全国どこからでも24時間、住民票の写しが入手できることとなる。
住所変更ワンストップサービスの観点からは、この自動交付機を今までの住民情報システムに接続するのではなく、ネットワーク・サーバーに接続することによって、住所変更ワンストップサービスの24時間サービスが実現することとなる。
4-3-2 総合行政ネットワークの活用
自治省は住民基本台帳ネットワークの構築を進める一方で、総合行政ネットワークの構築を推進しており、平成11年4月27日に『総合行政ネットワーク構築に関する調査研究−平成10年度中間報告書について』が発表された。それぞれの担当は前者が行政局振興課、後者は官房情報政策室と異なっているが、自治体間を接続する全国規模のネットワークという点では類似しており、両者の関係をみておく必要があると考えられる。