(5) 漢字の標準化
住民基本台帳ネットワークにおいて、文字の標準化は最も重要で、困難な問題である。特に氏名、住所にはJISの標準では収まらない文字が少なくない。住所変更ワンストップサービスの観点からは、外字、誤字・俗字の2つの点から標準化が検討されなければならない。
1] 外字
JISに制定されている標準外の漢字の標準化は、極めて労力を要する問題である。これら標準外文字はいわゆる、外字として、団体毎(メーカー毎)に処理されている限り特に問題がなかったが、住民基本台帳ネットで全市町村間でのデータ共有を行うためには、外字を標準外の文字として放置しておくわけにはいかなくなる。
住所変更ワンストップサービスの観点からは、住所の表記がアプリケーションによって異なることになり、例えば、複数のアプリケーションにおいて名簿として利用する場合には問題が生じる。
2] 誤字・俗字
外字の標準化に加え、1つの漢字に複数のバリエーションがあるという、いわゆる、誤字・俗字はさらに困難な問題である。最悪の場合これらをそれぞれ違う文字として扱うしか方法がないのかもしれないが、多くの変形、類似文字があるということを考えると、それらをすべて異なる文字として扱うことには限界があるであろう。また、その際、本人が申請等の手続を行う場合、複雑なバリエーションではなく、簡略化した文字や正字を書くと、本人突合上で不都合が起こることになる。
住所変更ワンストップサービスの観点からは、住居表示には誤字・俗字がないので基本的には問題はないが、本人が申請段階で表記を誤った場合の職権による訂正等を想定しておく必要があろう。
(6) 利用の拡張・普及
全市町村を接続する大規模のネットワークの利用拡張と普及は、イニシャル・コスト、運用コストの観点からも重要である。それを実現する方法として、住民基本台帳カードの利用が考えられるべきである。
改正法の範囲内では、このカードのメリットは住所移動の際に、転出先だけでの届出で済むという転出転入の特例に明記されているが、それ以外の拡張利用は、条例の範囲内で可能であるとし、個別市町村に委ねられた形になっている。