これに対して、「現在の行政事務においては地方公共団体間で行政情報の交換・提供を行うに当たり、職員個人を特定する業務はなく、一般的には組織又は職責を特定すればよい。」として、総合行政ネットワークにおいては、当面個人認証は行わないという方針を明らかにしている。
一方、地方公共団体の内部においては、庁内LANの整備を進め、文書管理システム、電子決裁システムなどを導入していけば、個人認証は必要になるであろうが、それは地方公共団体内の認証であり、上記の全国レベルの地方公共団体間で行う団体認証とは区分している。
3] 霞が関WANの省庁間電子文書交換システムにおける認証方式との関連
総合行政ネットワークは、霞が関WANとの接続を視野に入れていることから、認証においても、霞が関WANとの連携についても検討する必要があるとしている。
現在、霞が関WANの基本機能として、省庁間電子文書交換システムの整備が進められており、同システムの基本的な認証方式の概要は以下のようにまとめられる。
・基本的には各省庁がそれぞれ省庁内認証システム(認証局)を整備する。
・同システムの認証は、各省庁の認証局が、霞が関WAN運用センターにおいて整備運用される省庁間認証システム(相互認証局)を介して相互に認証する。
・各省庁の認証局は省庁内の組織(課室レベルまで)等の認証を行うことになっており、例えば、課室の長の公印として電子署名を発行、管理する。認証を行うのに必要な鍵は各省庁の認証局がICカードなど、適切に運用・保管可能な媒体に記録して発行し、それを管理する。
(6) 住所変更ワンストップサービスとの関連
総合行政ネットワークの認証は、電子媒体で交換される公文書の原本性、真正性を証明する機能であり、ネットワークでの文書交換においては不可欠のものといえよう。それだけに、「一般的には組織又は職責を特定すればよい」として、個人認証は行わないとしている。住所変更のワンストップサービスにおいては個人を特定する手続は不可欠であり、この総合行政ネットワークの認証機能は活用できないこととなる。
公文書の認証においては、個人レベルの認証は不要であるが、ネットワークを介した行政サービスの提供を視野に入れていることは、申請等の手続においては、官民双方において個人認証が必要となると考えられる。