2) カバー範囲の違い
条例等は住民基本台帳法事務だけではなく、自治体における個人情報を扱う事務全般をカバーするという違いがある。住民基本台帳法は住民基本台帳法事務に特化した規制であるから、自ずと区分ができるケースでは特に問題はないが、住民基本台帳の個人情報を庁内の他の事務に利用している場合が多く、この場合の個人情報の保護措置はどうするかという問題がある。
包括的な個人情報保護方策が出来上がった時点で、あらためて検討が必要になると考えられる。
5] 提供を受けた機関における個人情報保護方策
自治体間で条例等の制定状況、その内容が異なるという問題だけではなく、改正住民基本台帳法によって、市町村から個人情報を受領する県、国の機関においても個人情報保護措置が求められることとなる。これに関しては、改正住民基本台帳法の第30条の33において、「受領した本人確認情報の漏えい、滅失及びき損の防止その他の当該本人確認情報の適切な管理のために措置を講じなければならない。」と規定しており、特に問題はないと考えられる。
4-2-4 住所変更ワンストップサービスのための認証
一般に認証は改ざん、なりすましを防止するための機能であり、暗号機能と認証機能から成る。行政機関と民間部門が共同利用し、経済活動までを対象とする際の認証機能はかなり複雑な仕組みが要求されることとなるが、住所変更ワンストップサービスの実現に向けて、必要とされる認証機能は以下のとおりである。
(1) 住民基本台帳ネットワークにおける認証
住民基本台帳事務自体が、居住関係を公証するものであり、いわゆる、認証制度の公証機能を果たしていることとなるが、この公証がオープンな点が特徴的である。すなわち、本人が自分の居住関係を主張するために使うとともに、他人が本人の主張している居住関係を確認するためにも使用されているのである。
住民基本台帳事務においては、データヘのアクセス、更新等は本人が直接行う方式をとっておらず、市町村の職員が行うことから、申し出てきた者が本人であることを確認できれば、後は職権での処理に入るので、他人がなりすまし、改ざんする可能性はなくなることから、複雑な認証制度は必要ないと考える。