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例えば、改正住民基本台帳法によって、全国市町村間の住民基本台帳ネットワークを構築するためには、この前提条件なしのオンライン結合禁止条項の存在は不都合となりかねない。

 

2) 条例等の有無

現時点で個人情報の保護に関する条例等を持たない地方公共団体が約1000団体もあることは、住民基本台帳ネットワークによる団体間の個人情報流通が全国規模で行われることを考えると問題となる。条例等で厳正に保護している団体から、保護措置がとられていない団体へ個人情報が提供された場合に、保護上の問題が発生する可能性や、問題が起きたときの対応に差が出る等の問題が想定される。

OECDが個人情報保護に関する8原則をまとめた背景の1つに、国による保護措置の違いをなくす必要性があった。すなわち、国によって保護措置の内容、強弱の差がある限り、国境間データ・フロー(TDF)は進められないという事情がある。

改正住民基本台帳法では、受領した機関における基本4情報の保護に関して下記のように規定しており、条例等の有無の影響が直接出ないようにしている。

 

4] 改正住民基本台帳法と条例の関係

改正住民基本台帳法によって、各自治体の条例等との関係で以下のような点が問題となる。

1) 保護措置の違い

改正住民基本台帳法において規定されている個人情報保護措置は、各自治体が制定している条例等の内容を上回る部分が多い。上記のオンライン結合禁止条項が代表的なものであろう。一般的に上位法が優先されることからすれば、改正住民基本台帳法の規定によって、条例等で規制している内容は自動的に変更されることになるが、各自治体は、条例等を改正する必要があるかという議論と、自治体は法律レベルで地方自治権が付与されているので、住民基本台帳法が必ずしも、自動的に上位法とはいえないという議論もある。いずれにしても、両者の関係を明確に位置付けなくては、今後の住民基本台帳ネットワークの円滑な運用に問題を残すこととなりかねない。

 

 

 

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