また、統一コードが付与されることによって、個人のプライバシーが侵害されるという不安感が国民にもたれるという問題もある。
昭和40年代半ばに、当時の行政管理庁が事務処理用統一個人コードの導入に関して調査研究を行ったが、上記の付与の運用上の困難さと、プライバシー議論の2つの点から、導入を見送った経緯がある。すなわち、コードを全国民にもれなく、重複なく付与するには、住民基本台帳が最適であるが、自治体の協力が得られず、年金関係のファイルをべースに付与することが検討されたが、結局、重複しているデータが多く、事実上不可能であることが判明した。例えば、厚生年金においては、事業所が変わるごとに異なる年金番号が付与されていたため、厚生年金番号だけで1億以上払い出されていた。
統一コードが国民の国家による統制管理につながるという不安が、国民総背番号制反対へと発展した。1つの行政機関が他の行政機関の保有している個人情報を集中的に管理し、マッチングを行うということは、日本の行政制度上不可能であるが、当時は個人情報保護法もなく、国民の不安を解消し、理解を得ることができなかった事情がある。
平成11年8月に改正された住民基本台帳法によって、全国の市町村を接続する住民基本台帳ネットワークが構築されることになり、共通コードとして、住民票コードが導入されることとなった。これによって、統一コードによるマッチングが可能になったのである。
以上の突合方法のメリット、デメリットを比較すると表4-1のようになる。