これに関しては個人情報保護との関連があり、効率性からは期待されるものではあるが、実現はかなり困難なものと考えられる。
受け取る機関が多く、極論するとすべての住所データが対象になることが理想であるが、その業務を法律の別表に記載するようにしたことは、個人情報の扱いに慎重を期すという面がある一方で、受領するアプリケーションを追加する毎に法律改正を行わなければならないという柔軟性を欠くという問題を残すことになった。
(3) 住所変更のアクセスポイント
行政の個別責任主義の結果として、サービスを受けるためには然るべき機関、部署へ出頭しなければならないのが今までの行政である。このことは、自部門の権限でない行政サービスに関し、問い合わせに応じたり、申請等を受け付けたりすることができないことを意味する。申請、届出に対応する窓口の範囲を拡張しようという、アクセスポイントのマルチ化がいわれ始めている。欧米では、郵便局でパスポートの更新等、各種行政サービスの申請を受け付けたり、サービスを提供したりしている例がある。
住所変更ワンストップサービスを実現する際に、変更を届け出るファーストオフィスをどこにするかという議論も残っている問題である。ワンストップサービスとセットでアクセスポイントも考えられるべきであろう。
改正住民基本台帳法によって、住民票カードの付与を受けている者は転出先市町村に届け出るだけで済むことになる。それにしても、市町村窓口に行かなければならないことになる。近くて便利な機関、例えば郵便局や、転入先ではない任意の市町村に届け出ることは想定されていない。住民票の写しの交付に関しては、任意の市町村で可能になるのであるから、住所変更もどこの市町村でも可能になるはずである。本人確認の厳密さが要求されることになるが、住民基本台帳コードでユニークな番号が付与され、暗証番号との組み合わせで本人確認手続が厳密に行えることになるのであるから、住所変更届けのファーストオフィスを転入先市町村に限定する必然性はないと考えられる。