(2) 住所変更ワンストップサービスの意義
住所変更を確実に押さえている住民基本台帳のデータが、行政機関の各種アプリケーションの住所データ更新の基礎になることは既述のとおりであるが、これらデータをどのように更新手続・処理につなげていくかという点が今後の具体的な課題となる。また、国、都道府県のどのアプリケーションが住民基本台帳データを利用するのかという点もワンストップサービスの実現には大きな影響を及ぼすこととなる。逆に言えば、これら手続が円滑に行われることが住所変更のワンストップサービスのメリットを限りなく大きくすることとなるのである。
1] 複数機関間の住所データ更新
それぞれの業務処理方式が異なるため、住所変更データを住民基本台帳システムから受領しても、直ちに自動的な更新につながるとは限らない。理想的には、ネットワークから更新データを受け、アプリケーションの住所データにつなげて、自動的に更新できるようにすることが望ましい。現段階では、受領側のシステムがかなり異なることから、各機関は今後以上のような変更システムをどのように構築するかが問われることとなる。その際に、既存システムとのインターフェースやデータ項目や、表記の各種標準化等、検討し、解決しなければならないことは少なくない。また、これら事項の多くは、個々の機関だけでは解決できない問題であることも確かである。関係機関の連携によって、調整、開発作業が必要であろう。
2] 住所データ受領アプリケーション
住民基本台帳の基本4情報を受領する業務は、改正住民基本台帳法の別紙に記載されている。例えば、国の機関で住民基本台帳からデータを受ける業務は92が記載されている。ここで問題となるのは、記載されている92業務には国民の多くが登録している業務が少ないことである。例えば、運転免許、自動車登録、社会保険、貯金、簡易保険等は受ける機関になっていないのである。このことは、国民にとって、住所変更をした場合に個別に変更しなければならないアプリケーションが多いことを意味し、本来的な住所変更ワンストップサービスは実現できないこととなるのである。これら業務はシステムの規模が大きく、複雑なため住民基本台帳データとのインターフェースをとることが困難なことが想定されるが、今後の関係機関間の調整が図られ、連結できるようになることが望まれる。また、住民基本台帳から基本4情報を受ける業務に徴税事務が入っていないことも議論のあるところであろう。