・個人識別機能とデジタル署名作成機能(それぞれの暗証番号を設定して利用する)。
・デジタル署名に必要な公開鍵と暗号アルゴリズム
・証明書とCAルート鍵など。
3-2-4 シンガポールの“eCitizen Centre”
顧客志向型の行政サービスとして最も進んでいるのは、シンガポールのeシチズン・センター(“eCitizen Centre”)であろう。
シンガポールの電子政府のコンセプトは内外に知られている。しかし、行政サイドからの情報化であるという点では、他国の行政情報化をバージョン・アップして洗練されたものにすぎない。これに対し、この“eCitizen Centre”を支える概念は革命的である。ワン・ストップ、ノン・ストップの、ヴァーチャルな行政サービス・センターなのであり、インターネット、およびSingapore ONEを通じてアクセスできる。
“eCitizen Centre”は、行政サービスを必要とする市民の視点に立つ。市民が生まれてから死ぬまでに直面するさまざまなイヴェントを想定し、それそれに際して必要となる行政サービスが、必要、要求に応じて提供されるように構築されている。このため、行政情報と行政サービスは、所轄省庁を越えた、マルチ・エージェンシーのパッケージとして整理され、提示される。これは、「サービス・パッケージ」と呼ばれる。このパッケージには例えば、「引っ越し」、「小学校入学」、「求職」などが用意されている。
要請に対応する行政サービスの内容を軸に、所轄省庁を越えて組織されたサービス・パッケージは、市民のライフ・サイクルに沿って構築されている。従って、標準的なシンガポール国民が生まれてから死ぬまでの主なイヴェント、さまざまな要素をカバーするように、サービスと情報とが整理されている。
サービス・パッケージは、「タウン」と呼ばれる。例えば、「雇用タウン」には、「仕事を探す」「人を雇う」など、雇用に関するさまざまなサービスが含まれている。
それぞれのサービス・パッケージには、以下の内容が含まれている。まず、そのサービス・パッケージの簡単な紹介があり、全体を見渡すことができる。次に、さまざまな状況の中で、それらに応じて何をしたらよいのかが、ステップを踏んで説明される。そして、オンラインで提供されるさまざまなサービスにアクセスすることができる。また、オンラインを通じては得られないが、必要とされる手続きのチェック・リストが提示され、これを持って窓口に行けばよいことになる。パッケージにはまた、頻繁になされる質問に対する回答が示され、一般的な疑問については簡単に解決できるようになっている。