(2) DNlコード
スペインにおいては、DNIコードという身分証明コードを14歳以上の国民全員が持つことを義務付けられている。このコードを利用した内務省の管轄によるIDカード(国民身分証明書)が発行されており、スペイン国民の公の身分保証の役割を果たしている。DNIコードの特徴としては下記があげられる。
−公的文書であること
−旅券ともなること
−14歳以上の携帯義務があり、14歳以下でも希望者は携帯可能である
−スペイン人のみであり、発行は一人一通である
−個人的なものであり、譲渡不可能である
−番号は単一の体系で管理されている
−記載事項の信頼性、正確性が保証されている
−役所手続きにおける重要性が高い
−セキュリティ面でも高い正確性を誇る
DNIコードを使ったIDカードは、都市部252箇所、地方部60箇所の警察署で発行されており、近隣に警察署がない場合でも、移動発行所(情報キオスク端末)にて284箇所の移動拠点がカバーされている。
国民全員が統一された体系でのコードを持っていることで、ワンストップ行政サービスを導入していくに当たってはもっとも困難な点の一つをある程度クリアしているといえるが、全てに適用できる統一コードとして扱うためには、いくつかの他のサービスコードとの間での統合が必要になる。また、14歳未満の人間をどう扱うかについても現在検討されている状況であり、まだ包括的な行政サービスのための統一コード化はなされていない。
DNIコードの登録件数は3千万件を超えるが、同一番号の重複が多数あるといわれている。また、誰かが死亡したときなどの届出が即時性にかけることなどにより、ワンストップサービスに適用するためにはデータとしての信頼性をもっと高める必要があると考えられている。また、Eメールによる証明発行などに関しては、本人認証の問題などから、具体的な採用はまだ検討されていない。
ワンストップサービス提供を可能にするネットワーク基盤に関しても、市同士などは進んでいるが、国と市を結ぶネットワークの整備は立ち遅れている。リアル・デコルテ条例に基づいたサービス基盤の整備の実現にはまだ時間がかかる模様である。